YouTubeを見ていると、「早期退職して本当に良かった」「もっと早く会社を辞めればよかった」という動画をよく見かけます。
「人生の時間は限られている。」
そんな言葉を聞くたびに、私も焦る気持ちになりました。
「自分は古い価値観に縛られているのではないか。」
「勇気がないだけなのではないか。」
「会社にしがみついているだけではないか。」
そんなネガティブな考えが頭をよぎることもありました。
実際、私も定年前に退職することを何度も考えました。
しかし、何度も自分に問いかけた末に選んだのは、「定年退職」という道でした。
理由は三つあります。
一つ目は、仕事にやりがいを感じていることです。
もちろん、仕事ですから大変なこともあります。それでも、自分の経験を生かせる場があり、社会の役に立っているという実感があります。
二つ目は、職場の人間関係に恵まれていることです。
すべてが順調だったわけではありませんが、一緒に働いてきた仲間には感謝しています。最後まで気持ちよく仕事を終えたいと思える環境があります。
そして三つ目は、途中で辞めるよりも、定年という区切りまで務めたほうが、自分は後悔が少ないと思えたことです。
これは世間一般の正解ではありません。あくまでも、私自身の価値観です。
退職まで約1年となった今、私はこの時間を「自由を我慢している期間」とは考えていません。
後進に、自分の成功だけでなく失敗も含めた経験を伝えること。
これまで一緒に仕事をしてきた方々へ、感謝の気持ちを伝えること。
退職後も元気に過ごせるよう健康管理を続けること。
そして、新しい生活を始めるために、住む場所や暮らし方をじっくり考えること。
私にとって、この1年は退職後の人生をより豊かにするための「準備期間」です。
人生の時間は、誰にとっても限られています。
だからといって、その答えが「一日でも早く会社を辞めること」だとは限りません。
私にとって時間を大切にするとは、自分が後悔しない選択をすることです。
早期退職にも魅力があります。実際、その選択をして充実した人生を送っている方もたくさんいます。
一方で、定年退職にも価値があります。
最後までやり遂げること。
感謝を伝えること。
次の人生を丁寧に準備すること。
それもまた、限られた人生の時間を大切に使う一つの方法ではないでしょうか。
誰かの正解を追いかけるのではなく、自分で考え、自分で選び、その選択に納得して歩んでいく。
退職までの約1年を過ごしながら、私はそのことを改めて大切にしたいと思っています。
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